とよなか生涯現役サポートセンター
[豊中市生涯現役促進地域連携事業推進協議会]
生活支援サービスのお仕事「身近な地域での社会貢献に意義を感じて」191210
2019.12.10
特定非営利活動法人 なにわ和楽日の会
「生活支援の仕事」
Hさん(84歳)
「なにわ和楽日(わらび)の会」で仕事をしているHさんに、介護の就職イベント会場となっていた「豊中市立生活情報センター くらしかん」で話を伺いました。
この日Hさんは、実際に仕事をしているスタッフとして「(介護保険適用の)生活支援サービス」について話しました。(市が行う「生活支援サービス従事者研修」受講後、この仕事に就くことができます)
Hさんが働く和楽日の会は「和やかに、楽しい日々を」モットーに、介護保険適用サービスだけでなく介護保険適用外のサービスも提供し、住み慣れた地域で安心した生活を送るための、幅広い生活支援サービス等の活動を行っている特定非営利活動法人(NPO法人)です。
〇 お弁当の配達に出かける前のHさん。
Hさんは戦後のベビーブームの頃から小学校の先生として教職に就き、その後公立中学・私立高校の数学教師として80歳まで現役で教壇に立っていました。退職を決めた日に偶然「和楽日の会」のことを知り、現在も塾の講師をする傍ら、ベテランスタッフとして和楽日の会で働いています。
―和楽日の会ではどのような仕事をしているのですか。
定期的な仕事は、毎週水・木曜の「お弁当配達」、日曜朝の「ラジオ体操の準備と指導」、土・日・祝の「特別養護老人ホーム内サロンのホスト」です。また臨時的な仕事として、家事他様々な作業のサポート依頼を受けたお宅に伺い、生活支援のサービスを行います。
「お弁当配達」は障害者がつくったお弁当を配達することに意味を感じ、引き受けています。1時間で15軒、なるべく早く手元に届くように配達の地図を作るのが楽しく、頭の体操になります。
「ラジオ体操」は誰もが知っている身近なものですが、よく練られていて正しく行えばとても健康にいい運動です。様々なシニアにこの体操の指導を行っています。ただ「ラジオ体操第二」は知らなかったので、指導できるよう一生懸命覚え・練習しました。
「サロンのホスト」は、サロンに集まる人にお茶を運んだり話し相手をする仕事です。特別養護老人ホームの入居者やお見舞いなどの来訪者、また近隣地域の方がサロンにきます。ここに集まる人たちとの交流に意義を感じています。
〇 お弁当配達の打合せをするHさん。
―なにわ和楽日の会スタッフの奥谷さんにも話を伺いました。Hさんの仕事ぶりはいかがですか。
とにかくHさんはなくてはならない存在です。男性が少ないこの職場で力仕事を一手に引き受けてくれ、私と一緒に汗を流してくれます。定期的な仕事以外にも様々なものがあリます。外出の付き添い・衣替えの手伝い・草抜き・チラシ配りなど。Hさんは保健体育の教員免許・介護ヘルパー2級・生活支援サービス従事者の資格を持っています。職員が休んだ時や、大変な仕事があったときも、とても頼りになる存在です。
―「その他にもう一つ」とHさんが言いました。
毎日、御堂筋線沿いの道と近くの公園のゴミの清掃をしています。これは今一番の社会貢献だと思ってやっています。大切なことでしょ。
私自身の健康のため・頭の体操のため・そして社会貢献のため、「いい」と思われることに積極的に取り組んでいます。そしてそのことを楽しいと感じています。現在は一人住まいで、玄米食など健康にいいものを自炊して食べています。これもまた楽しいと感じています。
〇 配達に向かうHさん。
こんなポジティブな考え方が健康長寿の素なのでしょうか。話を終え「今から塾です」と言って立ち上がった様子は背中がすっと伸びて、今迄のSサポ「シニアレポート」で取材したシニアの中で最高齢(84歳)とは思えない元気な姿でした。
2019年5月に開催された「生活支援サービス従事者研修&仕事説明会」の様子はこちら
*この「シニアレポート」は、いきいきと活躍するシニアを、シニアが取材した記事です。
取材:2019年11月 和仁古 洋
発行元:とよなか生涯現役サポートセンター “Sサポ”
TEL:06-6152-7662